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TransToach

Toachによる小説イラストブログ。 TS物を中心に書いていこうと思っています。 ばらばらに書いているので、 まとめ読みする時は小説一覧からどうぞ

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幕間 昼

昼。

今日もまた勝てなかった。
一瞬うまくいったと思ったんだけど。
ボロボロになった体をかかえて家に帰り、やりきれない気持ちを入れ替えるべく、シャワーを浴びる。
もちろんすでに元の男の姿に戻っている。
変身から戻ると傷は治っているものの、攻撃されたところがしくしく痛むような感覚が残っている。

すっきりしたところで、街へ出た。天気の良い日に部屋にこもっていても仕方がない。
近所の商店街は最近壊滅状態から復興し、来るたびに様子が変わっている。
環境ホルモン野郎とぶつぶつ言い合いながら、服を見たりゲーセンに寄ったりする。
最近しきりにホルモン野郎が女性服を欲しがる。
一度だけ女体化したあと、戦闘服でない、普通の服に変化したことがあったのだが、その時はシンプルな服だった。
彼としてはもっと複雑な服の構造を覚えて、変化のパターンを増やしたいらしい。
俺はそんなのはまっぴらごめんなので、女性用の服屋は無視して素通りだ。

まあ、なんだかんだで、誰かと話しながらぶらつくのは楽しい。
相手が体の中にいたり、周りからは一人言にしか見えなかったりしても。
朝のお姉さんが隣にいたりすれば、なおすばらしいのだが。
その後、いつも通り本屋に寄って、立ち読みをする。
朝の黒女に勝つために、最近、柔道の本やら空手の本やらを読んでいるのだ。

「いらっしゃいませー」
店員の声に書店の入り口を見ると、同い年くらいの男が入ってきた。
親友、サトシだ。俺は慌てて、近くの棚に隠れた。
サトシにだけは正体を知られていて、しかも色々複雑なことになっている。
いま逃げたところで学校では顔を合わすのだが、二人っきり、という状況は避けたい。
気づかれないように、書店を出た。

「しかし、お前は弱いよなー」
『そんなことはない』
書店を出て、しばらく歩きながら、ぽつぽつと話しはじめた。

『変身した君の能力は、普通の人間より遥かに上だ。相手がもっと強いだけだ』

『それに、触手も使い方次第で戦える、ということを証明したのは、君じゃないか』
「あの時は必死だったからなあ」

「でも、実際弱いじゃないか。今日は空手の技とか使ってみたけど、散々だったぜ?」
『あんな本で強くなれるなら苦労はない』
まあ、確かに。

「でも、さっき見てた柔道の技とかは参考になりそうじゃないか?絞め技とか」
『そうだな…』

『それより、他の能力のほうが戦闘向きじゃないか』
「それは…」
そうなのだ。
こいつの言うとおり、本当は苦労して手にいれた、もっと強い能力、てやつがあるのだ。
さっきの水着みたいなやつではなく、他の姿にも変身することができるのが、それだ。
が、変身する時にその…気持ちわるいので、俺としてはできるだけ使いたくない。
第一だな。

「他の能力使ったら、お前むちゃくちゃするだろう?」
他の姿のときに、なんだか自分が抑えられなくなっている気はしていた。
問いつめてみたら、より深く遺伝子に介入しているから、君の自我が薄れているかも知れない、だと。
かも知れない、ときたもんだ。
俺の自我が薄れた結果、こいつの領分が増えている、って寸法らしい。

『信用してもらわないと困る』
「否定しろよ。信用と言われてもな」
そう、正直な話、俺はこいつが信用できない。
いきなり怪物に襲われて、逃げたと思ったらぬるぬるしたのにまとわりつかれて、
女にされて、ようやく戻れたと思ったら、こんどは四六時中監視の身、ときたもんだ。
わけが分からない。信用しろという方が無理な話だ。

「お前、信用されたいんだったら、もうちょっとそれらしくしろ」
『…』
ことばがきつすぎたのか、黙りこんでしまった。
こっちが悪いことをしているような気になるが、良い薬だ。

「それより、帰ったらまた作戦を練るぞ。明日こそあの女、ヒィヒィ言わせてやる」

とこんな感じで、それは強気で家路についたのだった。
その夜、俺自身にどんなことが待ち受けているのかも知らずに。

テーマ:二次元総合 エロゲーエロ漫画エロ小説など - ジャンル:アダルト

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