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TransToach

Toachによる小説イラストブログ。 TS物を中心に書いていこうと思っています。 ばらばらに書いているので、 まとめ読みする時は小説一覧からどうぞ

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直接対決!

ピシッ、パキッ

ゴ、ゴ、ゴ

塔が大きく揺れだしたのを確認して、ケイは給水塔から外に出た。

「おーおー」
ゆっくりと傾いていき、地震のような地響きと共に、崩れ落ちていく塔。それを自分がこの手でやった、という事実に、今は爆弾のような乳房がついているケイの胸の奥にある、男性的な心が刺激される。

「ちょっと、待て、お前ー!」
ガラッ、と塔の残骸が動き、その下から先ほどの女性が飛び出してきた。
すっかりすすけてしまってはいるが、それだけではない。ぴったりと身体のラインに沿ったダークスーツに、黒マント。マントの裏地と、ベストは燃えるような赤。

「ちょっとあんた!何を無茶してんのよ!」
人を小馬鹿にする余裕もなくなったようで、髪を振り乱して怒鳴っている。
それはそうだ。自分の寝蔵が突然取り壊されたら、誰だってパニックになるだろう。

吸血鬼といえど、例外ではなかったようだが、こと現在においては、あまり良いことではなかったようだ。

「ちゃんと聞いてんの!?この牛おん…なっ!?」
ケイがひとかかえほどもあるガレキを、次々に投げつける。
ふいの攻撃にもなんとか対応しようとした吸血鬼だが、避けきれずに態勢を崩したところを狙われ、再びガレキの下敷きになった。

「弱い」
『君が強すぎるんだ』

ガラッ
どうやって移動したのだろうか、ケイの背後のガレキから、吸血鬼が襲いかかろうと

ガシャン!
…したところに、ケイが壁を投げつけた。2m四方もある厚いコンクリートの塊が、吸血鬼の細い身体を直撃する。

「かはっ…あいたたた…」
吸血鬼の端正な顔が苦痛にゆがむ。

「せいっ!」
ドカッ!
その隙を逃さず、ケイはさらに全身を使った蹴りで追い打ちをかけるが、これは避けられる。先ほど投げたコンクリート壁に突き刺さり、まるで豆腐か何かのように粉みじんになる。

「こ…」

「こんなん無理!やってられないわー!!」
コンクリートに自分の姿を重ねたのか、吸血鬼が顔を青くして、へたりこんだ。
戦意なしとみたが、警戒は解くことなく、ケイが女に近寄る。

「眷属の皆を解放すれば、許してやる」
「分かった…分かったわよ、ケイゴ君」

『!?』「俺のことを!」

「ええ、知ってるわよ…洞窟に住んでたスライムと融合して、大層活躍してるじゃない」

「貴様…っ」
「それで、解放する、ってのは、後ろのサトシ君で良かったのかしら?」

「さ…サトシ…っ!?」
「ケイさん…いや、ケイゴ、なのか…?」

振り返ると、車にいたはずのサトシが目を丸くしてこちらを見ている。意識を取り戻して、給水塔の様子を見に来たのだろうか。それとも、操られるままにここへ来たのだろうか。

「うそだろ…ケイさんが、そんな」
「すまん、サトシ…言い出せなくて」

「ところでサトシ君」
「?あんたは…どこかで…」
女吸血鬼がサトシに話しかける。優位と見たか、その表情は明るい。

「まぁそれはいいじゃないの。それより、騙してたお詫びに、ケイゴ君が抱かせてくれるそうよ」
「う…あ…?」
吸血鬼の言葉に、サトシの様子がおかしくなり、慌ててケイが駆け寄る。

「サトシ!?お前、サトシに何を!」
「かかったわね!!」

刹那、女吸血鬼の目が妖しく光り、呼応するようにサトシの目がギラリ、と輝く。

「くっ…」
『しまった、邪眼だ!』

どくん

熱い液体を飲んだように、ケイは胸の奥に衝撃を感じた。臨戦態勢をとっていた身体からは力が抜け、誰かにしなだれかかりたくなる。

「あらあ、やっぱり効き目は弱いか」
「く…っ。て、めえっ…」
睨みつけようとするが、気が散ってうまくいかない。そうする間に、サトシがゆっくりと歩み寄り、ケイの肩を抱いた。

「そうそう、サトシ君。そのままいただいちゃいなさい」
「ひ…卑怯だぞ…や、やめろサトシっ」

抵抗しようとするが、欲望に支配された肉体が、言うことを聞かない。
ぱたっ…サトシのなすがまま、コンクリートの上に押し倒された。

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