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TransToach

Toachによる小説イラストブログ。 TS物を中心に書いていこうと思っています。 ばらばらに書いているので、 まとめ読みする時は小説一覧からどうぞ

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邂逅

「ちょっと待て」

すぱん、ばたん。

ケイの触手が目にも止まらぬ早さで女性の足を払う。
「な、何を…」
尻餅をついた女性の後頭部に紅い触手を打ちつけ、気絶させる。

『ケイ、一体何を…』
「なあ、こいつさ」

『…?』

「どうして俺に助けをもとめたんだ?」

「俺は、いわゆるスーパーヒーローだが」

「初めてこれを見て信じる人はまず、いないだろ」

「いいとこ、夜中にこっそりコスプレしてる危ない姉ちゃんだ」

「それなのにこいつ、俺に会うなり『助けて!』だ」

「もし本当なら悪いことするが、とりあえず気を失っててもら…っ!?」

一陣の風が吹いた。瞬きするようなその一瞬、風が運んだとでも言うように、女性の姿はかき消えた。

「あ、あいつ…っ!?」
『…眷属にできることじゃない。おそらく、あれが本体だ』
「あれが、吸血鬼!?」
『それに、眷属は男ばかりだっただろう?』

ばたん
給水塔の方角から、重い扉の閉まる音。

『逃げたな』
「くそ…っ」

すぐに追いかけ走るが、ドアには鍵がかかっているらしく、開く気配がない。

「おい、なんとかならないのか!?」
『なる』

「そんな……え、なるのか!?」

『どうしたんだ』
「いや、…えーと、なんとかしてくれ」

『分かった』





「ん…ぐっ…」

重く、硬い塊のようなものが体の中を這う感触。
それが動き回るたび、全身がみし、みし、と音をたてている気がする。

同時にケイの身体を包んでいた、紅色のスーツが溶け、スライムが表面を這いまわる。

「はぁっ…く、あ、あ」
突然のことに思わず地面に膝をつく。体内の重い感覚と、スライムの柔らかい感触のギャップに身悶えするケイ。

「あぁっ!…っは、は…」
『終わったぞ』

「…お前な!変身するならそう言えよ…って、なんだこりゃあ」

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