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TransToach

Toachによる小説イラストブログ。 TS物を中心に書いていこうと思っています。 ばらばらに書いているので、 まとめ読みする時は小説一覧からどうぞ

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たたかい

「無理、無理だって!」

ケイゴは脱兎のごとく駆け出すが、追い付かれ押さえこまれる

「ひ…!」
むき出しにされた狼男の牙に、恐怖のあまり叫びだしそうになる
早鐘のように打つ自らの動悸に、少し外れて、しかし早く、スーツが脈打っているのを感じる

(そうか、こいつも…)
そう考えると、不思議と落ちついてくる
目の前には今にも噛みついてこようとする口、勝機に見開かれた大きな…
(…目!)

指先から一閃、糸のような触手が狼男の目を払う
「ガッ…!」
怯んだ隙に、するり、と抜け出し距離をとる

「ワン公が、調子乗ってんじゃねえ!やってやるぜ!…おい聞いてるか、ビビリ野郎!」
『…』
「ビビるんなら人けしかけてんじゃねえ!!とりあえず手伝え、あいつをキャン言わせるぞ!」
『…あ、ああ…?』
「…おい?何やってんだ、なんか武器とか技とかないのか?早く!」

敵はこちらの勢いに、様子を伺っている
しかしすでに態勢を立て直している、すぐにまた飛びかかってくるだろう
『…ない』
「ない!?ないのか!?」
『…あぁ、ない』
『…もともとひっそりと暮らしてたんだ。こうして取り付いてみたが、それ自体どうやったかよく覚えていない』
「俺が女になってるのも?」
『性別のことはよくわからない。私が同化して君のホルモンバランスが崩れたんだろう』
「てめえ、この環境ホルモン野郎!俺の健康をどうしてくれる!」
『同化して調べた限りでは、健康状態に問題はなさそうだ』
「んなこたどうでもいい!てめえ落ち着いてんじゃねえか!」
『不思議だ』
「うるせえ!」

しびれを切らし、こちらに走りこんでくるのをなんとかかわす
勢いに呑まれたのか、攻撃にキレがなくなっている

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