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TransToach

Toachによる小説イラストブログ。 TS物を中心に書いていこうと思っています。 ばらばらに書いているので、 まとめ読みする時は小説一覧からどうぞ

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エピローグ

「あの…ケイ、さん?」
すっかり弱りきった吸血鬼を容赦なく吸収して消滅させ、ひといきついたケイに話しかけてくる青年がいた。

「あぁ、サトシ。さっきは助かったよ」
いち早くケイの母乳を飲んだあと、サトシはすっかり正常に戻っていた。
母乳を調べたスーツの助言により、これを使えば吸血鬼を倒せる、
もっとも、ケイの肉体を前に、演技だけ、というわけでもなさそうだったが。
母乳によって正気を取り戻した他の男たちも同様だった。
皆、こんな美女を抱く機会は滅多にない、とばかりにケイや吸血鬼と交わっていた。

「はぁ…」
吸血鬼を倒すためだったとはいえ、自ら進んで男たちに身体を差し出していた自分に、今更ながら嫌気がさす。

「や、やっぱりケイゴなんだな」
「ああ、そうなんだ…ごめんな、言い出せなくて」
「いや、それは良いんだ…俺のほうこそ、ごめんな、その…」
「い、いや、それは…」
思わず赤面して、お互いに目をそらす。
先ほどまで素っ裸で身体を合わせていた気恥ずかしさ、というのももちろんある。
が、それだけではなかった。
憎からず想っていた女性が親友(男)だと知ったサトシの心中は、察するに余りある。
しかし、ケイから言える言葉はなかった。
気まずい空気が流れる。

「あの…それで、相談なんだけどさ」
「?」
サトシが、赤面して下を向いたまま、ぼそぼそと言いだした。

「その、時々で良いんだ。いや、一度だけで良いんだ。女の姿でデートしてくれないか?」
「はぁ!?お前、何言って…」
「頼む!ケイさんが…忘れられないんだ!」
顔を上げ、まっすぐ視線を向けるサトシの熱意は嘘ではない。
正体が明かされたというのに、その目は相変わらず親友を見る目ではない。
まるで、恋している相手を見るかのような…

「あ、あほかお前!」
「頼むー!」
わしっ、としがみついてきたサトシを力任せに引きはがすと、ケイは車にも乗らず、森の中を一目散に走り去っていった。

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